2016.10.21

既製杭を用いた地中熱利用の工法開発 第3 報 採放熱実験(AIJ2016)

永坂 茂之(新日本空調)、木村 崇(新日本空調)、菅 一雅(ジャパンパイル)、小松 吾郎(ジャパンパイル)、今 広人(ジャパンパイル)、進 一寛(イノアック住環境)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(九州) 環境工学Ⅱ, pp.1337-1338
■発行所:日本建築学会
■発行:2016/8

 地中熱利用の普及課題である高額な施工費を削減するために、建物基礎杭内部へのチューブ挿入作業の省力化について検討を行い、杭とチューブを一体で施工する画期的な新工法を開発した。新たに開発した二重らせん状(スパイラル(以下、SP))に加工した採熱チューブを、工場で製造される空洞の既製杭内部に予め設置し、杭挿入時に継手を使わずにチューブを伸長させ、杭施工と同
時に設置を完了する。写真1に杭内のチューブ設置状況を示す。杭内壁近傍にチューブを配置しており、往き・還りチューブが交互に位置することによる互いの熱干渉を抑制するべく、チューブ間のピッチを維持している。
 開発した採熱チューブは、従来のスパイラルと異なり、スパイラルの中心部に最深部から地上部への垂直立上げ管が無く、杭内設置の施工性を重視した構造をしている。この採放熱特性を明らかにするため、2014 年9 月より実験を行っており、連続または間欠運転時の単位採放熱係数[W/(m・K)]を明らかにした。

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