2015.10.21
東北地方太平洋沖地震において杭基礎が大破した建物の被害要因分析 その1 被害の概要と杭の被害シミュレーションのための解析モデル(AIJ2015)
金子 治(戸田建設)、川股紫織(ジャパンパイル)、中井正一(千葉大学)、関口 徹(千葉大学)、秋田知芳(山口大学)、飯場正紀(北海道大学)、向井智久(建築研究所)、平出 務(建築研究所)、柏 尚稔(建築研究所)、谷 昌典(京都大学)
■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(関東) 構造Ⅱ, pp.215-216
■発行所:日本建築学会
■発行:2015/9
2011 年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では,1981 年の新耐震基準で設計された建築物や上部構造が耐震補強された建築物が,RC 造の非耐力壁など設計時に十分な検討が求められていない部位の損傷や杭基礎の破損
に伴う建物全体の傾斜のため,継続使用できなくなった事例が確認されている。これらの被害は,大地震時の建築物の倒壊は防止できたとしても,地震後の継続使用のためには別途適切な耐震対策が必要な場合があることを示唆しており,主たる防災拠点施設である庁舎や避難施設について,このような被害を防ぎ大地震後の機能維持・早期回復を可能とするための設計体系の構築に関す
る研究が進められている。
本研究では,その一環として杭基礎の被害要因と対策に関する検討を実施しているが,そのうち,現行の耐震規準類に従って設計されていたものの一部の杭の破損により傾斜し継続使用不能となった被害事例の解析について報告する。(その1,2)では,同じ建物内での杭の被害の違いに着目し,杭基礎と地盤ばねからなる解析モデルを用いて,一般の耐震設計では十分に考慮されない杭体や杭頭接合部の変形性能や地盤特性の詳細な評価を行った上で,被害過程の再現を行った結果を示す。
■発行所:日本建築学会
■発行:2015/9
2011 年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では,1981 年の新耐震基準で設計された建築物や上部構造が耐震補強された建築物が,RC 造の非耐力壁など設計時に十分な検討が求められていない部位の損傷や杭基礎の破損
に伴う建物全体の傾斜のため,継続使用できなくなった事例が確認されている。これらの被害は,大地震時の建築物の倒壊は防止できたとしても,地震後の継続使用のためには別途適切な耐震対策が必要な場合があることを示唆しており,主たる防災拠点施設である庁舎や避難施設について,このような被害を防ぎ大地震後の機能維持・早期回復を可能とするための設計体系の構築に関す
る研究が進められている。
本研究では,その一環として杭基礎の被害要因と対策に関する検討を実施しているが,そのうち,現行の耐震規準類に従って設計されていたものの一部の杭の破損により傾斜し継続使用不能となった被害事例の解析について報告する。(その1,2)では,同じ建物内での杭の被害の違いに着目し,杭基礎と地盤ばねからなる解析モデルを用いて,一般の耐震設計では十分に考慮されない杭体や杭頭接合部の変形性能や地盤特性の詳細な評価を行った上で,被害過程の再現を行った結果を示す。