2009.10.01

杭の衝撃載荷試験におけるCASE法の検討(AIJ2009)

小嶋英治(ジャパンパイル)

■掲載誌:日本建築学会大会学術講演梗概集(東北) 構造Ⅰ, B-1, pp.407-408
■発行所:日本建築学会
■発行:2009/8

 2002年5月に、地盤工学会基準「杭の鉛直載荷試験方法・同解説」が発行され、杭の衝撃載荷試験法もそのうちの一つとして導入された。同載荷試験法は、杭頭を打撃し、杭の加速度およびひずみなどから杭に生じる軸方向力を求め、杭と地盤をモデル化し、解析から杭先端や周面の静的抵抗などを求めて、杭の荷重-変位(沈下)関係と支持力を推定する方法である。反力装置が不要のため、低コストで工期が短いことから、杭の支持力確認に広く使われるようになった。
 基準では、「解析方法は、試験の目的に応じて、CASE法、波形マッチング解析などにより、杭の鉛直支持力に関する特性を求める」とある。CASE法の方が、波形マッチング解析より理論が判りやすく、解析も容易であることから採用されることが多い。ただし、CASE法を安易に用いる例も見受けられる。
 本論文は、CASE法の前提となる境界条件を確認し、その境界条件を、実杭を用いて衝撃載荷試験を行ない、検討を行ったものである。

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