2011.02.14
既往の水平載荷試験結果に基づく単杭のp-y関係の再検討(AIJ技術報告集2011)
吉川那穂(ジャパンパイル)・鈴木康嗣(鹿島建設)・小林恒一((独)原子力安全基盤機構)・金井重夫(千代田工営)・阿部幸夫(鋼管杭・鋼矢板技術協会)
■掲載誌:日本建築学会技術報告集 Vol.17, No.95-100
■発行所:日本建築学会
■発 行:2011/02
建築物の杭基礎の耐震設計は、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」1)(以下、指針と呼ぶ)等を参考に行われている。設計に用いる水平地盤反力係数は、地盤の特性に依存して強い非線形性を示すため、杭の水平載荷試験を直接行って求めることが理想であるが、通常の設計において水平載荷試験を行うことはまれであり、既往の水平載荷試験結果の分析・評価から求められた既往の関係式(例えば文献2)〜8))を用いる場合が多い。既往の研究では、現場における水平載荷試験結果から水平地盤反力係数とN値や杭径との関係がそれぞれ導かれており、水平地盤反力係数の非線形性が導かれているものもある。これらの文献で基準となる水平地盤反力係数はすべて杭頭(地表面位置)変位10mm時とされている。
指針では既往の研究をもとに、杭頭(地表面位置)変位10mm時の水平地盤反力係数を基準水平地盤反力係数kh0とし、この値を基準として杭の地表面変位の増減に対して-1/2乗で地盤反力係数を増減させる式が示されている。この式は、杭変異の増大に対して水平地盤反力が増え続ける関係であるため、極限に相当する塑性水平地盤反力は別途定められており、連続性に欠く設計式になっていると考えられる。
現在、一般的な基礎構造の設計では、短期レベルに相当する設計のみが行われ、終局レベルの設計を行うことがまれであるため、極限をあまり意識しない設計が行われているのが現状と考えられるが、将来終局レベルの設計を導入した場合、初期から極限までの水平地盤反力係数連続的に評価できる手法の開発が望まれる。
そこで、本報告では既往の水平載荷試験結果を再度収集・分析し、初期から極限に至る水平地盤反力−変位関係を再検討した。なお、本報告では、日本建築学会基礎構造運営委員会「地盤と基礎構造物の相互作用小委員会 杭の静的水平抵抗WG」の活動成果の報告である。
■発行所:日本建築学会
■発 行:2011/02
建築物の杭基礎の耐震設計は、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」1)(以下、指針と呼ぶ)等を参考に行われている。設計に用いる水平地盤反力係数は、地盤の特性に依存して強い非線形性を示すため、杭の水平載荷試験を直接行って求めることが理想であるが、通常の設計において水平載荷試験を行うことはまれであり、既往の水平載荷試験結果の分析・評価から求められた既往の関係式(例えば文献2)〜8))を用いる場合が多い。既往の研究では、現場における水平載荷試験結果から水平地盤反力係数とN値や杭径との関係がそれぞれ導かれており、水平地盤反力係数の非線形性が導かれているものもある。これらの文献で基準となる水平地盤反力係数はすべて杭頭(地表面位置)変位10mm時とされている。
指針では既往の研究をもとに、杭頭(地表面位置)変位10mm時の水平地盤反力係数を基準水平地盤反力係数kh0とし、この値を基準として杭の地表面変位の増減に対して-1/2乗で地盤反力係数を増減させる式が示されている。この式は、杭変異の増大に対して水平地盤反力が増え続ける関係であるため、極限に相当する塑性水平地盤反力は別途定められており、連続性に欠く設計式になっていると考えられる。
現在、一般的な基礎構造の設計では、短期レベルに相当する設計のみが行われ、終局レベルの設計を行うことがまれであるため、極限をあまり意識しない設計が行われているのが現状と考えられるが、将来終局レベルの設計を導入した場合、初期から極限までの水平地盤反力係数連続的に評価できる手法の開発が望まれる。
そこで、本報告では既往の水平載荷試験結果を再度収集・分析し、初期から極限に至る水平地盤反力−変位関係を再検討した。なお、本報告では、日本建築学会基礎構造運営委員会「地盤と基礎構造物の相互作用小委員会 杭の静的水平抵抗WG」の活動成果の報告である。