2007.11.15

単杭の水平抵抗略算法(既製コンクリート杭の実測値と計算値の比較)(JGS2007)

稲 国芳(武智工務所)・岸田英明(東京工業大学)・中井正一(清水建設)

■掲載誌:地盤工学会,p1237-1238
■発行所:地盤工学会
■発行:2007/7

 建築の分野で一般に使用されている杭の水平抵抗の計算方法は、弾性支承ばりとしての解析法の設計法であろう。これら2つの方法は簡便な実用設計法であるが、前者は比較的小さな変形時から現れる地盤の非線形性を表現し得ないし、後者においては杭頭水平変位量を求めることができない。また設計においては双方の計算結果を別々に考慮しているのが現状である。以前、筆者らは一様地盤を対象とし、上記の2つの方法を結びつけることにより、水平力を受ける単杭の杭頭変位や最大曲げモーメント等、杭の設計上重要と思われるパラメータの非線形性を、簡単な計算で求め得る略算法を示した。また、その方法を実際の載荷試験に適用し、有効性を確認している。しかし、そこで検討対象とされたのは比較的大きな変形に耐え得る鋼杭についてのみであり、いわば大変形の例と言える。本報告は、この方法を変形能力の小さいコンクリート杭にも適用し、同様にその有効性を確認したものである。なお、計算方法の詳細については文献3)を参照されたい。

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