2007.04.20

実大杭の水平連続載荷と段階載荷との比較実験(AIJ2004)

本間裕介(ジオトップ)・冨永晃司(広島大学)

■掲載紙:日本建築学会大会学術講演梗概集, 構造-I p485-486
■発行所:日本建築学会
■発行:2004/08



杭基礎の水平抵抗に関する設計に用いる水平地盤反力係数khの評価式は、ほとんどが深さ方向に一定khを仮定して杭の静的水平載荷試験で得られた杭頭水平荷重〜水平変位の関係に適合するように逆算した結果に基づいている。また静的水平載荷試験は、文献1)に示されている各段階で荷重を一定時間保持する方法で実施されたものである。したがって、文献2)等に示されているkhは杭体や地盤のクリープによる変位を含んだ値となる。
一方、地震時に発生する杭基礎への水平力は極短期間に作用するため、杭基礎の地震時水平抵抗を扱う場合、杭体や地盤のクリープの影響を含まない水平地盤反力係数を用いるほうが望ましい。しかし、このような水平地盤反力係数に関する研究3)は少なく、現状は文献2)で推奨されている値、あるいは文献4)で示されている「地震時=常時の2 倍」を採用している。
そこで、同一杭においてクリープ変位の発生を極力抑えた連続載荷(クリープ変位無しの状態)および文献1)に準拠した方法の段階載荷(クリープ変位有りの状態)の2つの載荷方式で水平載荷実験を行い、クリープ変位の有無により水平地盤反力係数にどの程度の違いが生じるかを検討したので報告する。

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