2007.11.15

摩擦群杭で支持された建物の沈下解析法(JGS2001)

二見智子(ジオトップ)・小椋仁志(ジオトップ)・伴野松次郎(ジオトップ)・松尾雅夫(安井建築設計事務所)

■掲載誌:第46回地盤工学シンポジウム,p199-204
■発行所:地盤工学会
■発行:2001/6

建築物に用いる杭の設計では、従来は支持力の検討が主であった。しかし、2000年6月改正の建築基準法や2001年10月改定の日本建築学会建築基礎構造設計指針では、建築物の沈下や変形も重要視されるようになった。このため、今後はそれらの検討が必要不可欠になるものと考えられる。群杭の沈下の検討方法としては、一般には建築基礎構造設計指針に記載された等価荷重面法や等価ピア法などの簡易法を用いる。しかし、簡易法では上部構造の剛性や地盤応力の相互作用を考えてないため、建物の規模や用途によっては十分ではない場合もある。そこで、筆者らの一人が提案した、上部構造は線材要素とし、地盤は弾性論に基づいて相互作用を考慮した実用的な沈下解析法1)(概要は【付録】参照)をベースに、摩擦群杭を持つ建物の沈下解析手法を検討した。しかし、文献1)の解析法では、杭基礎建物には一柱一杭方式を想定しているため、群杭を忠実に扱うと節点数が増え、計算機の容量や計算時間が膨大なものになるという問題が生じた。このため、群杭を簡略化するモデルが必要になり、その手法を検討した。本論文では、一つのパイルキャップ下の群杭を杭径の大きな単杭に置き換えて簡略化する方法(仮想単杭法)を提案し、その適用性について検証した結果を報告する。また、摩擦群杭基礎を用いた2件の実構造物に対して、本手法により計算した沈下量と実測値とを比較した結果も示す。

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