2007.10.01

武智式基礎杭の支持力に就て(第三報)(基礎研究1939)

武智正次郎

■掲載誌:基礎研究, 第4巻
■発行所:
■発行:1939/5

 同一条件では打込回数の多い程支持力の大きい事は夙に知られてみる所である。載荷試験は杭4本を以て一組として行ひ、之を4等分して杭一本の支持力を定むるのを原則とするから、打込も4本の平均を以て表す事にした。尤も杭の間隔が小さいと、各1本の打込みは後に打つ程大きくなる傾向を有し、標準砂の如き純砂質のものは特に之の性質が著しい。然し土質に依つて異なるが間隔が或る一定値以上になると最早斯の如き性質は表れず、恒に略同一回数を以て杭打が了る。之の點から考へても群杭、又は単杭として支持力を発揮すべき杭間隔が判明するのではないかと考へられるのである。
 因に本模型試験には100×100×120cmの寸法を有する木製試験槽を用ひ、内側は亜鉛飯鈑張りと爲し重錘は5kg重、落下高さ10cmを以て打込んだ。杭は第22圖の如き寸法を有する模型杭(テーパー無)と、普通杭として之と略同體積を有する21×21×570粍のものを使用し、一邊の長さをd、とし、4本を一組とし第1回に打ち込むものをI、以下II、III、IVの如く表す。杭の間隔pは2.5d、3d、4d、5d、6d、7d、8d、時には9d、10dとして打込を爲した。

Download