2007.08.01

杭の簡易載荷試験法の基礎的検討(JSFシンポジウム1991)

小椋仁志(武智工務所)・小寺浩二(武智工務所)・椿原康則(東京工業大学)・岸田英明(東京工業大学)

■掲載誌:杭の鉛直載荷試験方法および支持力判定法に関するシンポジウム発表論文集, pp.1-6
■発行所:土質工学会
■発行:1991/9

 通常行われている杭の標準鉛直載荷試験は、反力杭や載荷装置を必要とする。杭の大口径化・長尺化とともに、これらはますます大規模化し、載荷試験を高価かつ困難にしている。これらを簡易化する一つの方法として、杭の先端部付近にジャッキを取り付け、杭軸部周面摩擦抵抗と杭先端部抵抗を互いに反力として利用して、上下方向に載荷する無反力杭式の載荷試験法が提案されている。この試験法では、周面摩擦抵抗がいわゆるネガティブ・フリクションの方向となり、しかも杭先端部から上方に向かって順次モービライズされる。したがって、載荷に起因する地盤内応力の変化等が、標準試験法と異なる。本稿では、無反力杭式載荷試験における載荷位置・方向が試験結果に及ぼす力学的影響を、弾性理論を主にした解析的方法で考察した結果について述べる。解析に際しては、弾塑性理論や経験式も利用して、影響の程度を概略的ではあるができるだけ定量的に評価するように試みる。

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