2007.10.15

縦方向に断面の変化のある杭に適用できる衝撃載荷試験の基礎的研究(その3 波形マッチング解析の検討)(JGS2003)

桑山晋一(ジオトップ)・小嶋英治(ジオトップ)・本間裕介(ジオトップ)

■掲載誌:第38回地盤工学研究発表会講演集(秋田), 1927-1928
■発行所:地盤工学会
■発行:2003/07

 衝撃載荷試験システムのハードおよびソフトを再開発し、同名論文その1ではその概要を、その2ではハードシステムを検討した。本論文のその3では波形マッチング解析を検討するものである。
 波形マッチング解析では、杭頭付近における軸方向の力の後退波を測定したデータから求め、この力の後退波をマッチングして杭の抵抗を求めている。この解析に後退波を用いているのは、後退波に杭の周面および先端のバネおよび減衰の影響が含まれるためである。逆にいえば、杭の抵抗および減衰が大きすぎて、杭先端からの後退波がもどってこない場合には、杭先端の抵抗および減衰の同定はできないことになる。しかし、与えた打撃力が充分であれば、これは健全な杭といえる。
 本システムの波形マッチング解析ソフトには、杭の周面および先端の地盤抵抗モデルにSmith モデル(詳細はその1を参照のこと)を採用している。波形マッチング解析のフローはその1に示した。また、Smith モデルのプログラムの検討は、入力に正弦波などを用いてデバック済みである。
 そこで、その3の本論文は、図1に示す、杭・地盤系のシンプルなモデルで衝撃載荷試験を行い、波形マッチング解析の結果から、本システムの波形マッチング解析フローの妥当性について検討するものである。

Download